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ミステリの祭典

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破断界

作家 釣巻礼公
出版日1998年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2018/12/25 23:49登録)
以前に読んだ『奇術師のパズル』も、またnukkamさんによればデビュー作『蛹たちは校庭で』も、学校が舞台でしたが、その2作の間に書かれた本作は、いかにも通信機器メーカーに勤務していた作者らしい理工系の作品です。プリント基板の開発をめぐるプロットは、あまりに専門的になりすぎて、歯が立たないという人もかなりいそうです。文系のわりに理系にアレルギーを持たない自分も、正直なところ「事故」を起こす仕組みが理解できたとはとうてい言えませんし、最後のデータ切り替え方法については、具体的な技術がさっぱりわかりません。しかし真相解明部分にイマイチ説得力がないのは、専門的すぎるからでなく説明不足だからです。
それでも、堀河と翔子との視点を細かく切り替えていく構成はなかなかおもしろいですし、何か仕掛けているだろうなと予想できる部分のクライマックスでの明かし方も効果的でした。

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