home

ミステリの祭典

login
日経おとなのOFF 9月号
日経BP社発行

作家 雑誌、年間ベスト、定期刊行物
出版日2000年01月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点
(2011/12/06 09:42登録)
歴史・時代小説特集なら年に一度はビジネス誌に取り上げられるが、ミステリの場合、かつて「ダ・カーポ」に取り上げられていた程度で、すくなくともビジネス誌での特集は見たことがない。本誌は趣味系の雑誌だから、さもありなんだが、ビジネス誌寄りな雑誌なので目新しい気がする。

内容的には、内外ミステリが全般的に網羅してあるし、「名探偵30人のプロファイリング」や「ミステリの中の犯罪心理学」など凝ったものもあり、初心者にも上級者にも役に立つ永久保存版という感じだ。ただ、どの記事にも宮部みゆきが登場していないのが意外だった。編者の嗜好なのかな。

「プレジデント」などのビジネス誌に歴史・時代小説特集が組まれた場合、著名な経営者による「仕事で行き詰ったときに『宮本武蔵』を読み返す」とか、「『三国志』で人心掌握術を習得した」なんてコメント記事が載るが、ありきたりすぎて面白くない。むしろ、ビジネス誌にミステリ特集を掲載し、「ミステリの謎解きで論理的思考力を身に付けた」「ミステリで子どもの読解力がアップした」なんてコメントを載せれば、ミステリの社会的地位の向上につながるのではないか。

書店の文庫コーナーの大半がミステリか時代小説という今となっても、世間的にはミステリはいまだ低俗でマニアックな趣味なのではという強迫観念がある(偏見なのかもしれないが)。ビジネス誌もつまらん記事ばかり載せずに、ミステリの地位向上のために一役買ってほしい。

No.1 5点 mini
(2011/08/10 09:52登録)
日経BP社というのは『日経ビジネス』などを発行している出版部で、「日経おとなのOFF」は大人向けカルチャー・グルメなどの情報誌だ
「自遊人」、小学館「サライ」、朝日新聞出版「男の隠れ家」などのライヴァル誌となる存在だろう

「日経おとなのOFF」9月号の特集は、”おとなのミステリ案内”
この手の特集は各一般情報雑誌によく組まれるんだけど、今回のはページ数が多くて流石は日経、本気度が高い
内容はまぁここの常連の方々が閲覧したら浅くて物足りなさは感じるだろうけど、でも一般雑誌の特集にしては分量も多くて、ミステリー初心者が読んだら結構楽しめそうなんだよな
東川・有栖川・辻真先の本格ミステリー談議や、東野の探偵役比較など国内ものしか読まない読者でも充分に楽しめる
巻頭の数ページ眺めた感じでは、やはりな本格に偏ってるな、と思ったのだが、読み進むと名探偵リストとか古今東西各ジャンルに渡っていて予想以上に真っ当な内容だった
名探偵リストには例えばハードボイルド私立探偵やコージー派ジル・チャーチルの主婦探偵ジェーンまで載っていて、決して古典的なありきたりな探偵役だけじゃないのも驚いた
最後はミステリーとグルメ情報のコラボになってしまうのは、この種の雑誌の性格だから寛大な目で見るべきだろう
マニアックでは決して無いが、本屋店頭の立ち読みで眺めるだけでも楽しいので皆様一度手に取ってみてくだされ

2レコード表示中です 書評