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ミステリの祭典

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花曇り
旧題『どこかの街の片隅で』

作家 赤井三尋
出版日2008年05月
平均点3.00点
書評数1人

No.1 3点 E-BANKER
(2011/07/30 00:58登録)
乱歩賞受賞作「翳りゆく夏」に続く作品集。
普通の短編+ショートショートという組み合わせですが、ミステリー色はやや薄くなっています。
①「老猿の改心」=金庫破りの名人「老猿」が仕事中に見つかり、あろうことか金庫の中に閉じ込められる! 結果は如何に?
②「クリーンスタッフの憧憬」=TV局に勤めるアルバイトの清掃員の話。いわゆる「ちょっといい話」という奴ですが、あまりにステレオタイプ。
③「三十年後」=昔の悪ガキトリオの1人が30年後に・・・というよくあるプロット。最後にはお決まりのオチかと思いきや、なかなかブラックに・・・
④「青の告白」=2,30年前のプロットのような気がする。プロの作家としてはどうか?
⑤「花曇り」=戦前~戦後にかけての囲碁界が舞台。まぁ、いい話ではあるが、オチも「ふーん」程度。
あとはショート・ショート作品(「遊園地の一齣」「紙ヒコーキの一齣」「アリバイの一齣」「善意の一齣」「誘拐の一齣」)
以上5編+α。
はっきりいって、低レベルの作品集。
正直ミステリーとは呼べませんし、プロットがあまりにも古臭いのでは?
巻末解説ではソツなく誉めてますが、個人的には誉めるところが思い浮かばない・・・
まぁ、買ってまで読むほどではないという評価。
(全体的に渋すぎる作風・・・せめてもう少し起伏が欲しい)

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