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ミステリの祭典

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百人一首殺人事件
キャサリン

作家 山村美紗
出版日1978年12月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点
(2011/07/18 20:47登録)
キャサリン・シリーズ第2作。
前作『花の棺』では、キャサリンが日本人でないことが密室解明の発想に寄与していましたが、今回はタイトルどおり百人一首についての(外国人にもわかる)基礎講座になっています。ただしそのミステリ的扱いは、過去の事件でその3枚の札をある人物が持っていた理由は何かというところが完全に抜け落ちています。
トリック的には、密室もアリバイも前作に比べると平凡ですし、密室にする理由はやはり貧弱です。また密室に傘があった理由は、これでいいのならどんな不可解な状況でも考えられるというしろもの。病院の問題も、本当にこれを中心にして構成を立てれば、怖い系統のミステリになりそうなのですが、適当に妥協してしまった感じです。
結局欲張って詰め込んだという域にまで達していないというのが、どうにも不満な作品です。

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