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ミステリの祭典

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墓地裏の家
心理学探偵・夷戸武比古(いどたけひこ)

作家 倉野憲比古
出版日2011年07月
平均点3.00点
書評数1人

No.1 3点
(2013/09/03 22:16登録)
読み始めてすぐ、くどい描写を連ねるだけで何を表現したいのかわからない文章にはうんざりしてしまいました。作者は映画(特にB級ホラー)も好きだそうですが、何度も引用される黒澤明の巧みな演出をどれだけ理解しているのか、疑問です。タイトルの元になっているルチオ・フルチ監督は『ビヨンド』しか見たことがないのですが、それだってB級ホラーらしい無駄のない演出だったと記憶しているんですがね。
心理学薀蓄についても、フロイトやデュルケームはこう書いているという知識の羅列に過ぎず、主人公夷戸が専攻する「臨床心理」になっていません。また登場人物の心理に納得できないところや、行動理由の説明不足な点がかなりあるのです。
全体的な構成自体は決して悪くないと思いますし、殺人トリックがどれも古典的作品の明らかな二番煎じなのも、個人的にはそれほど気になりません。しかし小説としての出来栄えはねえ。

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