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ミステリの祭典

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欲の無い犯罪者
古美術研究家・南条圭

作家 井沢元彦
出版日1986年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2012/08/16 17:30登録)
古美術研究家・南条圭の推理ノート。最初期の作品集であり作者の意気込みが感じられるミステリ趣向が十分なものがいくつかありました。

「極東銀行の殺人」は、銀行強盗籠城事件という構図がラストで鮮やかに反転。タイトルでメインアイデアの元ネタ(クリスティの某作)を示唆していますが、”東洋銀行の殺人”のほうがより明確だったかも。
「不運な乗客たち」は、列車事故を利用した”蓋然性の殺人”かと思わせてのツイスト、「欲の無い犯罪者」は、誘拐身代金を受け取らず馬券購入に充てさせる”ホワイ”が魅力的で伏線も丁寧な佳作だと思います。

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