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ミステリの祭典

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死角の時刻表
日本列島SL殺人事件

作家 斎藤栄
出版日1975年01月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点
(2011/05/18 23:10登録)
岡山県北部の鍾乳洞付近で発見された死体―といっても、横溝正史みたいなおどろおどろしさとは全く縁のない、タイトルどおりの時刻表アリバイ崩しものです。
しかし、そのアリバイ・トリックの原理はこんなところだろうなと予想していたとおりのもの(今でも似たことをよく経験せざるを得ない地域に住んでいるからかもしれませんが)。秋田で起こった殺人事件との関係が見えてくるまでの前半はそれなりにおもしろかったのですが、岡山事件のアリバイ調査になってくると、犯人は確かにいろいろ細かい工夫をしているものの、かえって煩雑な印象しか残りません。
それよりも、動機にも関係するもう一方のアイディアの方が意外性があります。これも考えてみれば現実的には危なっかしいトリックなのですが、読者を驚かせるという意味では効果があります。犯人の人格設定と小説の終わり方も目のつけどころは悪くないと思うのですが、この作者の文章ではねえ…

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