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ミステリの祭典

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石の繭
警視庁捜査一課十一係

作家 麻見和史
出版日2011年05月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 たかだい
(2024/12/21 06:47登録)
被害者をモルタルで固定した「トレミー」を名乗る猟奇殺人鬼と、それを追う警察の熾烈な攻防を描いた警察ミステリー物
監禁した被害者をモルタルを用いて殺害していく残忍性、わざわざ警察に連絡を取って挑発を繰り返す大胆さ、周到な準備で尻尾を掴ませない慎重さ。それらを兼ね備えた異常者「トレミー」のキャラクター性が話を盛り上げます
また、それに対する新米女性刑事と、寡黙でぶっきらぼうなベテラン刑事のコンビや、彼女らが所属する十一係の面々も個性豊かで、作中に度々ある係内での操作会議で要点・疑問点の洗い出しが行われる為に状況を理解し易いのも良かった
個人的に堅い警察ミステリーは苦手な方ですが、こちらは程よく読み易く、手に汗握る展開にも満足できる作品でした

No.1 7点 初老人
(2015/06/22 20:10登録)
明かされた真相のいくつかには確かに光るものもあり感心させられたのだが、所々作者が物語を自分の都合の良いように解釈して整合性を取ろうとした結果良く出来たお芝居のような感じがしてしまうのは頂けなかった。
そんなに全ての事に辻褄を合わせて決着させなくても良かったのでは、と思う。だがその分この本一冊にかける意気込みのようなものが伝わってきたのも確かで、逆に次作以降に期待を持たせるように作られている。十分水準に達している印象を受けた。

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