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ミステリの祭典

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塩原殺人行

作家 草野唯雄
出版日1988年09月
平均点2.00点
書評数1人

No.1 2点
(2011/04/13 13:34登録)
2中編が所収されていました。

「塩原殺人行」・・・いちおう謎解きミステリですが、トリック(物理トリック、アリバイトリックなど色々とあるのですが)を含むミステリ要素、語り口、プロットと、三拍子そろってひどく、褒めるところがありません。ご都合主義のオンパレード。タイトルにはなんとなく憶えがあり、著名な作品かと思い込んで借りましたが、まさかこんな内容だとは…
行間たっぷりの120ページなので、短編といってもよく、その短い中に長編のプロットをむりやり詰め込んで雑にまとめた、という感じがします。

「大東京午前二時」・・・江戸川乱歩賞候補作。危険が迫る夜間のビルの密室に取り残された女性を救うべく、関係者や警察が夜の街を奔走するタイムリミット・サスペンス。表題作にくらべれば、だいぶましです。なんとかサスペンスを保ちながら最後まで読んでいけますが、文章が悪いのか、それともネタが小粒すぎるからなのか、やはり及第点にはとどきません。東京の街中を走り回る話なので、東京の(40年前の)地理に詳しければもっと楽しめたのかもしれません。

伏線のない小説なんてありませんが、両作品にはなかったような気がします。読み飛ばしただけなのかもしれません。
著者作品にはまともなやつもあるはずです。今回は大失敗でしたが、今後も懲りずに当たってみます。

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