home

ミステリの祭典

login
二幕半の殺人
検事 霧島三郎シリーズ

作家 高木彬光
出版日1976年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2020/03/27 00:03登録)
霧島三郎検事シリーズの中短編5編。
最初の『被害者を探せ』は、取り壊し中の家に備え付けられた防空壕の中から発見されたコンクリート詰めの死体が誰かという謎ですが、真相にはなんとなく不満を感じてしまいました。犯人の狙いはわかりますし。作者自身の某初期長編のアイディアにさらにひねりを加えているのは悪くないとは思うのですが。次の『毒の線』はあまり印象に残りません。最もおもしろかったのが『同名異人』で、脅迫の相手はどちらだろうという、同名異人アイディアにもこんな使い方があったかと感心しました。『鬼と鯉』というのは刺青の絵柄のことで、暴力団の世界が扱われていますが、刺青の使い方に工夫があります。最後の表題作は100ページ近い中編ですが、長いわりに大したことはないという印象でした。
それにしても気になるのが、『同名異人』と表題作の最後のまとめ方で、これは法律的にまずいでしょう。

1レコード表示中です 書評