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ミステリの祭典

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オールド・ディック

作家 L・A・モース
出版日1983年09月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2012/06/04 21:39登録)
78歳の探偵と言ったって、頭脳派であれば年齢も名前も不詳の隅の老人を始めとして、高齢者は何人もいます。しかし行動派のハードボイルドでは、確かにめったにお目にかかれません。
1981年に発表されてMWA最優秀ペーパーバック賞を受賞した本作はモースの長編第1作ですが、ネオ・ハードボイルド世代作家のようなシリアス路線ではなく、ハメットやチャンドラー、スピレイン等のパロディといった趣があります。書き出しからして、そのことを宣言しているようなものですし、殴られて気絶する部分でも、『さらば愛しき人よ』を思い出すといった調子です。
ストーリーもかなりひねっていますし、ちょっと走ればすぐに息が切れ、足が動かなくなりそうだというジェイク・スパナーのハードな活躍ぶりもよくやるなあという感じ。一方でオブライエン親子の扱いはちょっと感動的です。最後のオチまでなかなか楽しめた作品でした。

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