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ミステリの祭典

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リガの犬たち
クルト・ヴァランダー

作家 ヘニング・マンケル
出版日2003年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2014/07/14 09:55登録)
シリーズ第2弾。
スウェーデンの南部の海岸に救命ボートが漂着した。そのボートの中には二人の男の死体が横たわっていた。
この事件を田舎町のイースタ署のヴァランダーたちが捜査する。捜査が進むにつれ、二人が東欧の人間であることが判明する。そしてその後、外務省の役人や、ラトヴィアの刑事がイースタへやってきて、国際犯罪捜査物らしくなるが。
これからが予想もつかぬ展開となる。

それからのヴァランダーは、まるでハードボイルドか、スパイスリラーか、冒険大活劇の主人公のよう。これが警察ミステリーとはとてもいえない。
ボートの謎の死体から始まるわりには謎解き要素は少ないが、ストーリーにいろいろ変転があって楽しめた。

主人公のクルト・ヴァランダーには臆病な面もあれば、勇敢な面もある。勇敢というより無鉄砲という感じだろうか。敵に一人で立ち向かっていく姿はけっこうシリアスなんだけど、気弱な面が顔を出すからか、可笑しくも感じてしまう。とてつもなく恰好の悪い場面もあったりする。
本作での彼の行動は警察官の正義感によるものではなく、プライベートな理由によるもの。滅茶苦茶なんだけど、そんな彼の行動や内面がこの小説、このシリーズの魅力となっているのでしょう。

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