オッド・トーマスの予知夢 オッド・トーマスシリーズ |
---|
作家 | ディーン・クーンツ |
---|---|
出版日 | 2010年12月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 7点 | Tetchy | |
(2011/01/22 21:53登録) オッド・トーマスシリーズ4作目の本書はなんとエスピオナージュ。田舎町を牛耳る警察署長と港湾局の職員との軋轢。閉鎖されたムラ社会における一人のストレンジャーという図式に、来たるべき災厄を予知夢で察したオッドが奮闘する。 このシリーズの売りはオッドの霊が見える能力で、いつも早いページの段階で霊が登場していたのだが、今回は181ページ目でようやく出てくる。しかも定番の災厄の象徴ボダッハは一切現れないという異色さ。予知夢で大惨事が起こりうることを知りながら、なぜボダッハが現れないのか不思議でならなかったが、その理由についても作者はすでに準備済みだった。その内容については本書を当たられたい。 今回のベストキャラクターは元映画俳優のハッチことローレンス・ハッチスンとフランク・シナトラ。こういうキャラが出てくるなんて、クーンツはまだ枯れないなぁ。 解説の瀬名氏によれば本書以降、オッドシリーズは書かれていないとのこと。このまま棚上げにするにはなんとも割り切れなさが残る。いつかまたクーンツがシリーズ再開することを切に願おう。 |