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ミステリの祭典

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殺人魔術

作家 梶龍雄
出版日1984年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 kanamori
(2012/04/26 22:44登録)
昭和53年から58年にかけて雑誌掲載されたミステリ8編収録の短編集。
偽アリバイトリック、毒殺トリック、ダイイング・メッセージ、人物の入れ替り、可能性の殺人など、あまり新味はないものの、各作品とも何らかの本格ミステリらしい仕掛けを入れている。また、作品の語り手に工夫があり、それがトリックに寄与しているのはさすがと思わせます。

なかでは、ある人物のアリバイの誤誘導によって犯行方法に迷彩を施した「色慾の迷彩」、強盗殺人事件に巻き込まれたタクシー運転手の話がラストで反転する「好色の背景」などが面白かった。
トリックとしては大したことがないが、「ピンクが好きな女」の哀切なテイストが初期の青春ミステリを思い起こさせる。

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