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ミステリの祭典

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春宵とんとんとん 人形佐七捕物帳

作家 横溝正史
出版日1984年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 おっさん
(2011/01/12 10:03登録)
春陽文庫の<全集5>です。
収録作は―― 1.春宵とんとんとん 2.三河万歳 3.蝶合戦 4.女難剣難 5.まぼろし小町 6.蛇性の淫 7.猫屋敷 8.蛇使い浪人 9.狐の裁判 10.どくろ祝言 11.黒蝶呪縛 12.雪達磨の怪
今回は・・・ちと低調かな。
ミステリ的趣向に着目するなら、異様な凶器を取り上げた表題作の1と、足跡のない殺人テーマの12が、まあ印象に残るとはいえますが、全体に、あっけなかったり、焼き直しだったり、後味が悪かったり、といった話が目につきます。
“お色気”のサービスも、1の冒頭の、4ページにわたる書き込みが象徴するように、いささか過剰気味。
佐七のベスト10を選出するとき、挙げたい作が見当たりません。

ここまで5巻にわたって、60編(シリーズ全体のちょうど三分の一)を再読してきた中間報告をしておくと――
ベスト10候補は、「ほおずき大尽」(1巻)、「五つめの鐘馗」(2巻)、「雪女郎」(2巻)、「神隠しにあった女」(3巻)、「恋の通し矢」(4巻)あたりでしょう。
別格は、ともに1巻収録で、佐七の一番手柄「羽子板娘」と、恋女房・お粂との出会いの記「嘆きの遊女」。
個人的な“お気に入り”なら、「佐七の青春」(1巻)と「日食御殿」(4巻)です。

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