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ミステリの祭典

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犯罪文学傑作選
エラリー・クイーン選

作家 アンソロジー(海外編集者)
出版日1977年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 Tetchy
(2011/01/11 22:04登録)
いわゆる文豪と云われる非ミステリ作家たちの手になる犯罪を扱った作品を集めたアンソロジー。1951年に編まれた本書は現在日本で北村薫氏らによって日本の文豪らの手による作品集が編まれ、文化として継承されている。

全21編中、個人的ベストはウィキペディアにも載っていない作家デイモン・ラニヨン(その後ここのサイトの参加者miniさんよりラニアンという名前で現在呼ばれていることが判明。ウィキペディアにも載っています)の「ユーモア感」。その他にはトウェインの「盗まれた白象」、フォレスターの「証拠の手紙」、ラードナーの「散髪」、サーバーの「安楽椅子の男」、スティーヴンソンの「マークハイム」、ハーストの「アン・エリザベスの死」が印象に残った。これらは犯罪を皮肉ったものや一読考えさせられる内容を持っていたり、また現代でも通じる語り口に工夫が見られるものだ。例えば「マークハイム」や「アン・エリザベスの死」は幻想小説としての趣もあり、犯罪を扱いながらもジャンルを跨った作品になっている。特に後者は家族殺しという犯罪の真相が歪な味わいを残し、被告人の心の傷はちょっと想像がつかないほど痛ましい。

ただ訳が古すぎて非常に読みにくかった。すごく時間が掛かったなというのが一番の感想だったりする。

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