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ミステリの祭典

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ベルガード館の殺人
ジュリアン・ケストレル シリーズ

作家 ケイト・ロス
出版日1996年11月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 nukkam
(2010/12/26 13:13登録)
(ネタバレなしです) 癌による早逝が大変惜しまれますが弁護士でもあった米国のケイト・ロス(1956-1988)は19世紀初頭の英国を舞台にジュリアン・ケストレルを探偵役にした本格派推理小説を4作書いています。1993年発表の第1作である本書はすぐには殺人事件が起こらず、代わりに「なぜ誇り高きフォントクレア家は、かつての使用人の娘にすぎないモード・クラドックと一族の人間との婚約を承諾したのか?」というミステリーというよりはロマンス小説的な謎で読者を引っ張っているのが珍しいです。その謎が意外な形で事件に絡んでくるのが巧妙だし、結構意表を突かれる真相でした。人物描写に優れており本の分厚さを感じさせないストーリーテリングも素晴らしいです。

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