有馬記念殺人事件 |
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作家 | 狩野洋一 |
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出版日 | 1990年12月 |
平均点 | 4.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 4点 | 空 | |
(2016/06/26 15:34登録) 狩野洋一は麻雀の方はプロで、すぐれた入門書を書いていたそうですが、小説となると、今ひとつという気がします。競馬ミステリと言えば当然ディック・フランシスが頭に浮かびますし、本作の根本プロットだけを見れば、フランシスにも同レベルの作品はかなりあるでしょう。しかし濃密な文章と緊迫感で読ませるフランシスに比べると、本作はなんとも気の抜けたビールのような感じがするのです。 本格派と言うには、偽アリバイの扱いがおざなりですし、真犯人の発見も推理によるものではありません。一方、競馬の牧場を裏で操る者の追及は、社会派と呼べるほどではありません。結局、緊迫感はとぼしいものの、ジャンルとしてはスリラー系としました。 作者自身のあとがきに、実在のものと同じ名や場所が登場するが、実在のものとは何も関係ないと書かれていますが、作中の有馬記念では武豊とかオグリキャップとか…ふーん。 |