home

ミステリの祭典

login
烙印

作家 天野節子
出版日2010年12月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2012/12/23 19:47登録)
1609年にスペイン船サン・フランシスコ号がフィリピンからメキシコへ向かう途中難破して、現在の千葉県御宿町に漂着したという実際に起こった事件を取り入れた作品です。その過去の出来事はところどころに少しずつ分けて挿入されているのですが、これは最初にまとめてしまってもよかったのではないかと思えました。現在の殺人事件との結びつきは、早い段階で見当がついてしまうのです。作中の刑事たちはもちろん400年も前に起こった難破事件のことなど知らずに捜査を進めていくわけですが。
容疑者もごく早い段階で浮かんできて、そのアリバイが問題になります。と言っても、意外なアリバイ・トリックというほどのものはありません。動機も、またその動機があることの証拠も、簡単にわかってしまいます。小説としてつまらないというわけではないのですが、これほどの長さが必要だったかなと思えました。

1レコード表示中です 書評