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ミステリの祭典

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ルチフェロ

作家 篠田真由美
出版日1995年10月
平均点3.00点
書評数1人

No.1 3点 Tetchy
(2010/12/12 21:23登録)
本書はミステリ作家ならば誰もが一度は触れたくなるという、いまだにその正体が不明の、1888年のロンドンを恐怖のどん底に陥れた切り裂きジャック譚。通常切り裂きジャック事件の検証をありとあらゆる文献に残された証拠やデータから推測し、正体を解き明かしていく方法を取るが、本書ではその正体をあらかじめ17歳のイタリア人、アルドゥイーノ・デッラ・アルタヴィッラとして物語る。

しかしこれは前世紀最大のミステリであった切り裂きジャック事件の真相を論理的に解明する謎解きではなく、世に残る切り裂きジャック譚をモチーフにした幻想小説といった方が妥当だろう。
こういったロマン主義的な幻想小説はやはり苦手だ。知的好奇心がそそられるエンタテインメント性がもっと欲しいものだ。

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