| 果しなき流れの果に |
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| 作家 | 小松左京 |
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| 出版日 | 1970年01月 |
| 平均点 | 9.00点 |
| 書評数 | 1人 |
| No.1 | 9点 | 虫暮部 | |
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(2019/10/28 12:26登録) 我が国のワイドスクリーン・バロックの筆頭にして小松左京の代表作。今それを読んで感じたのは、良い意味での手作り感の強さである。 こういう壮大なスケールの物語で比較的新しめのものは、テンプレートでもあるのかと思うくらいスムーズに“壮大なスケール”が設定されていて面食らうことがしばしばある。後発作品が均質化されるのは宿命だし、それはそれで洗練の一つの形だろう(悪いことではない)。 しかし本書はそのへんまだまだ手探りな感じでそこが良い。随所に見られる雑味は、パターンに還元されることのないヴィジョンの支えとして、物語の主役たる“果しなき流れ”をアンバランスに(これが重要)描き出しているのだ。 つまりは、昔のSFだなぁと言う要素がことごとくプラス方向に機能する、幸福でタイムレスな作品だと思う。 |
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