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ミステリの祭典

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宇宙気流

作家 アイザック・アシモフ
出版日1962年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2010/12/05 10:17登録)
「あなたの話は、まるで探偵小説ですよ」「そうです……現在のところ、私は探偵です」
こんな対話が出てくるのは、人類発祥の惑星は地球だということが伝説化している遠未来の話です。本作はアシモフが書き継いでいたファウンデーション(銀河帝国の興亡)シリーズの番外編で、そこにこんな台詞が出てくるのは、妙な感じがします。宇宙に散らばった人類は、どんなミステリを読んでいるのでしょうか?
というわけで、『鋼鉄都市』ほど徹底はしていませんが、やはり同じような意味で、謎解きミステリになっています。謎は、惑星フロリナの壊滅を予想した空間分析家に神経衝撃療法を加えた犯人は誰かということで、完全にフーダニット。犯人の条件を並べてみれば、ちゃんと推測がつくようになっていますが、意外性を出すためのたくらみが少々無理っぽいのが難点でしょうか。
SFとしては、むしろミステリ仕立てにしない方が惑星の危機という壮大なテーマを明確にできたのではないかと思えるところが、気になりました。

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