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ミステリの祭典

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ヴェロシティ

作家 ディーン・クーンツ
出版日2010年10月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 Tetchy
(2010/11/24 21:28登録)
久々のクーンツのスピード感と畳み掛けるサスペンスが冴え渡る良作だ。本書はクーンツの数ある作品の中で1つのジャンルを形成している“巻き込まれ型ジェットコースターサスペンス”の1つだ。

今まではとにかく訳が判らなくて命を狙われるという展開だったが、本書の主人公、突然の災禍の被害者ビリーの場合は、自身に被害が及ぶのではなく、警察に連絡するか、もしくはしなくても誰かが殺されるという脅迫を受けるのだ。つまり問われるのはビリーの良心なのだ。

さらに正体の解らぬ犯人が勝手に連続して殺しを行うだけでなく、全てがビリーを犯人だと示唆するかのように偽造証拠を残し、さらに犠牲者とビリーとの関係性が徐々に狭まっているところが恐ろしい。

クーンツに興味を持った読者が取っ掛かりとして読むにはバランス的にちょうどいい作品だろう。本書の物語のサスペンスの高さと長さ(総ページ数600ページ弱で上下巻なのが納得しかねるが)はお勧めだ。クーンツ作品のスピード感(ヴェロシティ)を是非とも感じていただきたい。

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