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ミステリの祭典

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感情の法則
北上次郎

作家 評論・エッセイ
出版日1999年03月
平均点10.00点
書評数1人

No.1 10点 Tetchy
(2010/11/18 21:23登録)
毎回取り上げる1冊の本になぞらえて、北上氏が思い出を語るエッセイ型ガイドブック。

タイトルは『感情の法則』だが、ここにあるのは北上氏の『感傷の報告』だ。そしてここにあるのは北上氏だけの感傷ではない。
そう、私も含めた誰もが抱いた感傷なのだ。いや私には感傷という言葉は高尚過ぎるかもしれない。誰もが犯した小さな過ち・失敗・苦い想い出だ。それは自分のその後の人生に影響を与えるほどの出来事ではないので、いつもは日常の些事や仕事の忙しさ、生活の慌しさに紛れて思い出すことはない、取るに足らないものだ。
しかし、ふと一人のときに思い出す、忘れられない想い出だ。
なぜあの時、私はあんな態度をとったのだろう?あんな言葉を云ったのだろう?あんな事をしたのだろう?またはなぜしなかったのだろう?そんなほろ苦い記憶をこのエッセイでは思い出させてくれる。

男も泣きたい夜がある。そんな時、ナイトキャップと一緒に読むには最適の一冊だ。

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