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ミステリの祭典

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狂った殺し
棺桶エド&墓掘りジョーンズ

作家 チェスター・ハイムズ
出版日1971年02月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2016/07/27 22:50登録)
チェスター・ハイムズ初読です。特に暴力的なイメージをなんとなく持っていた作家だったのですが、実際に読んでみると、そんな先入観とはかなり違った印象を受けました。最初の方の捜査部分は、ブロディ部長刑事の尋問に墓掘りと棺桶も立ち会い、普通に警察小説っぽい感じです。だいたいその主役コンビが刑事で、しかも警察組織の中で特に一匹いや二匹狼的存在というわけでもないのですから、ハードボイルドの基本パターンからは外れています。
少なくとも本作では墓掘りと棺桶の側からよりも、他の登場人物の視点から描かれた部分の方が多く、今一方の主役とも言えるジョニーの視点からの部分の方が、ハードボイルドな雰囲気です。20世紀半ばのニューヨーク市ハーレム地区に住む人々の生活感がたっぷり味わえるのが魅力的です。いや、謎解き的にもすぐその疑念を持ったとは言え、クリスティーあたりをも思わせる意外性がありました。

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