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ミステリの祭典

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悪の教典

作家 貴志祐介
出版日2010年07月
平均点6.64点
書評数22人

No.2 6点 HORNET
(2011/01/11 03:13登録)
<少々ネタバレ気味>
 ミステリというより学園ホラーでしょう。2人が魔の手を逃れたからくりもその場面で即座に分かりましたし(道義的にはヒドイことをしてますが,生き延びることが最優先だから仕方がないでしょう)。
 物語としてはむしろ,ハスミンの模範的教師としての仮面が剥がれていく過程のほうが面白いのでは。そういう意味では,「このミス」で予備知識がなかったほうが楽しめたのかも,と思います。ただ,後半に行くにつれ,ハスミンの手口としても「雑」になり,大味になっていく感じはしました。(そもそも,真実を知った者は消すという連鎖で,やりおおせると思っている時点で,本当にハスミンは頭がいいのか?)
 なんだかんだ書きましたが,ノンストップで読んでしまう筆力がありました。このサイトで字が大きくなっている著者の作品は読んでみたいと思います。

No.1 7点 kanamori
(2010/12/22 18:01登録)
前半、とくに物語の導入部は、読んでいてサイコサスペンスの傑作の予感がしました。
教頭や同僚教師からは信頼され、生徒の人気者である高校の英語教師・蓮実の造形が巧みです。第1章最後の鴉のエピソードを始め、章が進む毎に徐々に、サイコパスとしての蓮実の裏の顔が読者の面前に露わになっていく過程に引き込まれました。
しかし、下巻に入り「引き返し不能点」以降の、殺戮のサバイバル・ゲーム風の展開は少々工夫に欠け、「バトル・ロワイヤル」などの先行作品を想起させる点は大いにマイナス。
上下巻で850ページという長尺を感じさせないリーダビリティの高さは抜群で、なかなかの娯楽作品ではありました。

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