home

ミステリの祭典

login
エアーズ家の没落

作家 サラ・ウォーターズ
出版日2010年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2010/11/11 18:45登録)
18世紀以来の村の名家で、戦後も古びれた領主館に住み続けるエアーズ家に続発する災厄を描いたゴシック・ロマン風の物語。
子供の頃から領主館に憧れを持つ冴えない村医者・ファラデーの視点で語られる一家の斜陽の現実と、かつてのお嬢様で不器量な容姿のキャロラインとの恋愛など、読者を物語に引き込む牽引力はさすがですが、”ミステリ=謎解き小説”という定義であれば本書はミステリとはいえないと思った。
ネタバレになるが、唯一の謎である館で発生する怪異現象の真相は、結局読者にゆだねられている。
作者にしてみれば、原題”The Little Stranger”に全てを込めているのかもしれないが、解釈に迷う終り方でどうもすっきりしない読後感でした。

1レコード表示中です 書評