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ミステリの祭典

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ビート
警視庁強行犯係・樋口顕

作家 今野敏
出版日2000年11月
平均点8.00点
書評数2人

No.2 8点 itokin
(2012/03/19 09:27登録)
やむに已まれず情報を漏らしてしまう刑事の苦悩と家族からの素外観を修復できない一人の男の感情がうまく表現され思わず感情ゆにゅうしてしまう。謎解き要素は少ないが終盤の樋口の行動等感動的な盛り上がりは読後の余韻を残す。

No.1 8点 ZAto
(2010/10/17 22:25登録)
今野敏は心理的に追い詰められていく父親をサスペンスドラマとして、タエと一緒にダンスに生き甲斐を見出そうとする次男を青春ドラマとして、ふたつのエスプリを加味しながら世代間のギャップと衝突を表現していくのだが、読者が英次に感情移入してしまうことによって、彼が本当に殺人者になってしまうのかという心理を父親と共有することになり、思わずドキドキしてしまう。
このあたりの読者心理の操作は本当に巧い。
果たしてこの両者の衝突に救済はあるのか。
詳しいことは書かないが、ここでようやく樋口顕の出番が回ってくる。相変わらず妻に罵られたり笑われたり、娘の遊びに同行して氏家にからかわれたりしながらも、敢然とこのシリーズの主人公が樋口顕であるという存在感を発揮して読者の溜飲を下げてくれる。

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