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ミステリの祭典

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影と陰
リーバス警部

作家 イアン・ランキン
出版日2006年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2017/12/12 23:37登録)
リーバス警部シリーズ第2作―というより、『紐と十字架』の時はまだ部長刑事でしたし個人的な面の強い事件でもあったので、本作こそ後につながる本当の意味での第1作と言ってもいいでしょう。それにしても、そんなシリーズ化開始作から、作者はエジンバラの影の部分、有力者たちの秘密に大鉈をふるってくれます。そして後味のかなり悪い終わり方。国内作家であれば社会派に分類してもいいようなテーマですが、リーバス警部の孤独な個性の故もあり、全体的に粘つくような暗い雰囲気が漂っています。
巻頭と各章頭に『ジーキル博士とハイド氏』からの引用を置き、さらにリーバスが同書を再読中だとか、途中でハイドという名前の人物のことが出てきたり、その上脇役登場人物名を同じにするなど、執拗なまでの関連付けをしています。しかしアイディア、プロットについては『紐と十字架』の方がスティーヴンソンとの共通点がありました。

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