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ミステリの祭典

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エジプト女王の棺

作家 山村美紗
出版日1980年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2010/09/29 22:13登録)
エジプト、政界の派閥争い、中学生売春など様々な要素てんこ盛りの作品です。殺された人の数は全部で8人(あいまいなままのエジプト人1名を除く)という多さ。
しかし全体の核となるのはエジプト展に展示中のカノピス容器が偽物とすり替えられるという事件です。赤外線警報装置を作動させないようにするトリックは専門的知識さえあればという感じのものですし、途中で犯人の告白によりあっさり明かされるので拍子抜け。しかしむしろ、盗難の計画性と機会の問題をどう解決するのだろうと思っていたら、これはかなり手際よく説明していました。
密室殺人も1件ありますが、このトリックも専門知識利用で、今ひとつ。
いろいろ詰め込みすぎて、かえってメリハリがなくなっているようにも思えますが、欲張った構成はそれなりに楽しめました。

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