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ミステリの祭典

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ロック・ビート・マンチェスター
ケイト・ブラナガン

作家 ヴァル・マクダーミド
出版日1998年04月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2016/04/21 22:46登録)
ジャンル分類に困った作品でした。それも、いろんな要素が詰まっているとか境界線狙いとかいうのではありません。大きく2部に分かれ、第1部は失踪人探しのハードボイルド、第2部は館における殺人事件のフーダニットと、完全に真っ二つに分かれているのです。探偵役のケイト・ブラナガンは、作者自身がパレツキー等を意識したということで、第1部では役にはまっていますが、第2部では今ひとつといったところ。彼女がクリスティーの『牧師館の殺人』を読んでいたり、そのミス・マープルの他、サム・スペード、ジェシカおばさん等の名前も言及される、軽いノリの作品です。ページ数割合は4:6ぐらいなので、一応本格派としました。
ところで、殺人が起こった後早い段階で、状況的に犯人以外こんな質問しないんじゃないかと思ったところがあったのですが、結局その人が犯人だったにもかかわらず、推理にはその伏線は出てきませんでした。

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