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ミステリの祭典

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逃げられない女
女性公訴官ヘレン・ウェスト

作家 フランセス・ファイフィールド
出版日1995年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2012/07/25 20:30登録)
ファイフィールドの公訴官ヘレン・ウェスト・シリーズについては、本作を読んで初めて知ったのですが、邦題はすべて「~女」で統一されています。で、原題はと見ると、特に統一性はありません。本作の場合「影絵遊び」というわけで、邦題よりも内容に則しています。
コーンウェルあたりと共通する感じなのか(イギリス作家ですから地味ではあっても)と思っていたら、全然違っていました。訳者あとがきによると本作は特に異色作のようではありますが、警察小説系ではなくて、完全にサスペンスものです。ヘレンもいわゆる探偵役ではありません。犯罪者、ヘレン、さらに実質的な主人公ともいうべきローズの視点を中心としながら、細かく(数ページごとに)様々な登場人物の視点を切り替えていく手法で、特に前半はミステリ的要素が少ないストーリーが語られます。ローズが、読者には早い段階で明かされる秘密を周囲の人に長く隠しすぎかな、と思えますが、まあ。

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