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ミステリの祭典

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目覚めない女
女性公訴官ヘレン・ウェスト

作家 フランセス・ファイフィールド
出版日1993年11月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2017/10/21 11:22登録)
公訴官弁護士ヘレン・ウェスト・シリーズ第3作は1991年度シルバー・ダガー賞受賞作です。
訳者あとがきではハウダニットに重点が置かれていると書かれていますが、毒殺トリックとしてはどうということもありません。実際、半分にも達しない段階で、殺害方法は解明されてしまいます。ただ麻酔医が、クロロフォルムの特性から考えて事故ではありえないことを証明するところだけは、なるほどと思わせられました。体内から検出されたのが致死量に達していない点の説明はあまり明確ではありませんが。
しかしそんな謎解きより、この作者らしい細かな視点の切り替えによるサスペンスの盛り上げが見どころです。犯人の側から描いた部分もかなりありますが、事件そのものに関する内面描写はプロローグと最後の方だけにしているのも効果的です。それにしても本作の事件関係者たち、まともじゃないなあ。

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