home

ミステリの祭典

login
ほおずき大尽 人形佐七捕物帳

作家 横溝正史
出版日1984年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 おっさん
(2010/12/10 14:42登録)
横溝正史ファンに、もっともっと読んで欲しいのが、人形佐七のシリーズ。岡本綺堂の半七ものが、捕物帳の“正装”だとすれば、こちらは“着流し”の親しみやすさがあります。
全180編と結構な数ですが、春陽文庫版14冊と、出版芸術社の<横溝正史時代小説コレクション 捕物篇>2冊を合わせれば、完全制覇も可能。
春陽の一冊目から(不定期ではありますが)順番にとりあげていきます。
『ほおずき大尽』の収録作は―― 1.羽子板娘 2.開かずの間3.嘆きの遊女 4.音羽の猫 5.蛍屋敷 6.佐七の青春 7.ほおずき大尽 8.鳥追い人形 9.稚児地蔵 10.石見銀山 11.双葉将棋 12.うかれ坊主
レギュラーキャラクター(佐七ファミリー)が揃っていく過程を楽しめる、入門編ですね。
過去、アンソロジーに採られることが多かった1は、トリッキーな趣向はあるものの、シリーズの基本が定まる前の話なので、けして代表作ではありません。
同じく海外ミステリの応用として知られる、表題作の7は、後半の展開に難がありますが、前半の緊張感はマル。
個人的なお気に入りは、夫婦喧嘩ものw の代表作といっていい6ですね。
でも、佐七の傑作、秀作が出てくるのは、まだまだこのあとです。

1レコード表示中です 書評