home

ミステリの祭典

login
神が忘れた町

作家 ロス・トーマス
出版日1990年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2012/11/26 21:32登録)
トーマス初読ですが、登場人物たちの気の利いた台詞がいいとの評判には一応納得できました。しかし「気が利いている」のは台詞だけではありません。新たな登場人物や舞台を紹介する時には、何かしら気の利いたことを言わなければならないという固定観念に取りつかれているのではないかと思えるほどです。特に主人公アデアが収賄罪で起訴されかけた経緯が語られ始める170ページ目ぐらいまでは、1件殺人が起こるとはいうものの、ほとんどその世界、登場人物紹介に筆が費やされているため、うんざりしてしまいました。
しかし後半になって事件が動き始めるとおもしろさも加速してきて、クライマックスはなかなかサスペンスもあります。主要登場人物たちがドゥランゴにそろうことになる経緯と犯人の計画との関係や、アデアたちの写真を撮った女の扱いなど、整合性についてはケチの付けどころもありますが。

1レコード表示中です 書評