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ミステリの祭典

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白い狂気の島
青年医師・窪島典之

作家 川田弥一郎
出版日1993年07月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 E-BANKER
(2011/12/31 16:04登録)
乱歩賞を受賞した「白く長い廊下」に続く第2長編。
前作で職場の病院を追われた形となった医師・窪島と恋人・ちづるのコンビが再び事件に挑む。

~狂犬病清浄国の日本で、39年振りに患者が発生した。台風が接近し孤立した幹根島を襲う白い狂犬の恐怖。誰が、いつ、どこから、島に持ち込んだのか? 島に赴任した青年医師・窪島は恋人のちづるの協力を得て、事件解明に乗り出すが、謎はますます深まるばかりに・・・。前作に続く迫真の医学ミステリー~

これは予想以上に面白かった。
前半は「狂犬病」の発生に怯える島民や窪島医師の姿を中心とした「パニック小説」的な味わいで、後半は一転して「誰が、なぜ」狂犬病を持ちこんだのかという「謎解き」が中心となる。
2つの違う「味」が楽しめる「おいしい」作品という感じ。
納得性はあるが、予想の範囲内というべき真犯人が指摘された後に、更なるドンデン返しが待ち受ける終盤もなかなか。
とにかく怖いわ、「狂犬病」が!!
一応、ウィキペディアでも調べてみたが、本作発表の約20年後の現在でも、「狂犬病」は発病すればほぼ100%の致死率、そして確たる治療法のない病気らしい。(ワクチンはあるが・・・)
窪島が狂犬に立ち向かう箇所は、なかなか戦慄モノ。

敢えて短所を探すなら、二兎を追ってる分、やや中途半端感があるところか。特に、最後に明かされる真の「動機」については、ちょっと荒唐無稽な気がする。
でも、まぁ十分に楽しめる作品ですし、もう少し評判になってもいいのでは?
(何か、犬飼うのが怖くなってきた)

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