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ミステリの祭典

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父は戦争に行った

作家 阿部牧郎
出版日1986年06月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 江守森江
(2010/08/10 00:13登録)
幅広いジャンルで書いている直木賞作家だが、サラリーマンを主人公にした官能小説が一番作者らしいと思っている。
昨日、テレ東で再放送されたドラマの原作が作者で、らしからぬ正統派なミステリーだった事に驚き、原作もおさらいしたら同様だった。
近代的な老人ホームで起きた殺人を娘が調べると周りの人物達の戦争体験が浮き彫りになり、さらにミステリーとしてのひねりもある。
しかし、作者の主張は戦争に対する思いで、テレビで毎年この時期に多くなる戦争関連作品で間違いないだろう。
書かれてからでも20年以上が経過し、終戦から60年以上経過した今では、戦後世代の読者に訴えは伝わり難い。
この作品で強請られる人物も、今なら普通な戦争反対者で非国民と世間から非難されないだろう。

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