| ヴィーナスの命題 |
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| 作家 | 真木武志 |
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| 出版日 | 2000年10月 |
| 平均点 | 7.00点 |
| 書評数 | 1人 |
| No.1 | 7点 | ことは | |
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(2025/08/31 02:48登録) うわっ、本サイトに書評がなかった。 読了後、ネット検索したら、「長門有希の100冊」「新本格ミステリを識るためのの100冊」に入っていることがわかったが、それにしては読まれていなさそう。私も、昔々に、綾辻が推薦していたので買ったまま、ずっと放置していたのをようやく読んだので、なにも言えないけれど。 作風は、最後に載せられている綾辻の薦が的確で(綾辻の薦って、だいたい的確で、綾辻は読み巧者たなぁと思う)、一部を引用すると、こんな感じ。 ”竹本健治「匣の中の失楽」や……などの先行作品を思い出せつつ……。登場人物のほとんどが高校生で、しかも現実の学校には絶対に存在しないだろうと思われるような連中ばかりなのだが、それがまた良い。確かに現実には存在しないかもしれない。けれど十代の一時期、僕たちはみんな多かれ少なかれ彼らのような部分をどこかに持っていたはずなのだ。それをデフォルメして造り上げた、何とも切なく愛おしい学園世界。” 登場人物が異能をもっていそうだったり、めちゃくちゃ有能だったりする上に、胡蝶の夢を引き合いに出して、それを前提に議論したり、ちょっとした事実と暗合から、とんでもない説明をしだしたりする。極めて変な酩酊感があって、これに似てるのは「匣の中の失楽」かなぁと思う。 よくわからない部分も多く、ネット検索してみると、いくつか考察サイトがあった。考察系のミステリとして、もっと読まれていい作品だと思ったのだが、このあと、作者は新作を出していないせいもあるのかなぁ。 |
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