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ミステリの祭典

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ルウィンターの亡命

作家 ロバート・リテル
出版日1976年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2018/08/20 00:02登録)
作者のデビュー作にして、1973年のゴールド・ダガー賞を受賞したスパイ小説。
新聞書評などでチェスの試合にも例えられた本作は、章見出しが「Ⅰ 序盤戦」から「Ⅵ 捨て駒」までチェスの用語になっていて、ソ連人のチェス・プレイヤーも登場します。このプロ棋士、それに登場時には話に華を添えるぐらいに思えた二人の女性も、終盤近くなってから全体構成に不可欠な役割を演じることになってきます。そのように様々な要素が絡み合ってくるところは、計算しつくされた構築美を感じさせことは確かなのですが、個人的にはむしろご都合主義にも思えてしまいました。
結局ソ連への亡命者ルウィンターのある特技が本物なのかどうか、最後まで立証されず、亡命理由もまたアメリカ側の推測だけに留まる点、また最後の「事故」後の両大国の対応が明確に描かれていない点など、あいまいさが残るのも不満でした。

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