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ミステリの祭典

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火星の魔術師
探偵クラブ(国書刊行会)

作家 蘭郁二郎
出版日1993年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 songpu gu
(2013/05/11 19:58登録)
当時としてはちょっと倒錯的で彼らしい科学物といった趣の一作です。とはいえ染色体について述べる箇所などは空想をテーマとしつつも著者らしいものでした。
ここでいう「著者らしい出来」とは実現可能な部分を残すといった手法にあるかと思います。元々著者が科学小説へと転向したのが、国力=科学力と信じ、将来未来を担う子供達にこれからの重要な国の担い手として平易に科学知識に興味をもつてもらうことができるようと執筆し始めたことにあり、当時としては発想が突拍子のようなものでも、現実的な路線をあまり踏み外さない、ファンタジー化しないといったことがそれに該当するかと思います。

本作はそんな著者の中でも「火星」という惑星を想定し、全てが巨大化したといった、なかなかユーモラスとスリラーっぽさを兼ね備えた科学物になるかと思います。

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