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ミステリの祭典

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女系家族

作家 山崎豊子
出版日1963年01月
平均点2.00点
書評数1人

No.1 2点 江守森江
(2010/07/01 23:53登録)
これが山崎豊子作品で一番ミステリーと一般小説の境界線を明確に示している作品だろう。
読み方次第で充分ミステリーなのだが私的なミステリーの範疇外なのでポリシー通り2点。
代々女系の家筋で養子婿を迎える大阪・船場の老舗・矢島家で、先代当主の死亡により遺言書が読まれ、三人の娘に婿や親族、更に愛人や番頭まで加わった遺産相続争いが描かれる。
ドロドロした設定自体は大横溝に同じだが描く手法は全く違う。
遺産を巡る権謀術数の数々は、殺人の起こる本格ミステリよりも人間の醜さや恐ろしさを浮き彫りにしていて、かえってミステリー的ではある。
家族小説として山崎豊子では一押しの面白さだろう(一般小説としての採点は8点)
※TBS系で放送された連続ドラマもドロドロしていて面白かった。

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