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ミステリの祭典

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不可能犯罪課の事件簿

作家 ジェームズ・ヤッフェ
出版日2010年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2010/08/02 21:11登録)
DIC(不可能犯罪課)ポール・ドーンものの連作ミステリ6編を含む未発表作品集。
ある日、エラリー・クイーン責任編集のEQMMに15歳の少年からミステリの原稿が送られてきた。その不可能トリックものの短編がヤッフェのデビュー作で、DICシリーズの第1作です。
シリーズ初期作はいずれもバラエテイに富む密室トリックながら、オリジナリティと物語性が弱いのが欠点ですが、安楽椅子探偵の形式で古代ローマ時代の謎を解く歴史ミステリ「皇帝のキノコの秘密」は、真相解明後の二段落ちの構成が優れていて余韻が残る作品。とてもティーンエイジャーの作家が書いたミステリとは思えない。
ノンシリーズ短編では、「家族の一人」がヒッチコック風サスペンスの佳作でした。

また、収録作品以上に(?)素晴らしいのは、全作にエラリー・クイーンのコメントが載っていること。「ブロンクスのママ」シリーズ全作品に関するコメントも載っているのが嬉しい。

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