home

ミステリの祭典

login
考える葉

作家 松本清張
出版日1962年05月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 4点 了然和尚
(2016/03/12 23:48登録)
全くいつも通りな松本清張なのですが、どこか空虚というか熱が入っていないような気がしました。全然つまらないわけでも破綻しているわけでもないのに。松本清張の全作品の中で1つだけゴーストライターがあるとすればどれか?とか聞かれたら、本作をあげたくなるような感じです。あとがきによれば本作は日本の黒い霧、球形の荒野、わるいやつら、砂の器と同時に書かれたとのこと。(納得)

No.1 5点
(2010/06/27 13:54登録)
最初に読んだのは中学生の頃だったと思いますが、当時は前半がつまらないという感想をいだいたのでした。しかし今回読み返してみると、むしろメインの事件と言える外国使節団長暗殺までの謎が膨らんでいく前半の方が楽しめました。それまでにもすでに2件の殺人が起こっていたことは、全く覚えていませんでした。
松本清張の作品では、全体的な犯罪計画はかなり適当なことがありますが、本作では特に目立ちます。主役の男を暗殺犯人に仕立て上げるといっても、接触した人物は完全に正体を明かしているのですから、計画に無理がありすぎです。そんな策略などしない方がよっぽどましでしょう。
まあその部分の非現実性に目をつぶれば、事件の裏の設定やストーリー展開はおもしろくできています。

2レコード表示中です 書評