ウィンブルドン |
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作家 | ラッセル・ブラッドン |
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出版日 | 1979年05月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 6点 | こう | |
(2012/02/04 01:34登録) 以前折原一のガイド本の推薦を見て読みました。 スポーツミステリとして思いつく作品は少ないのですがこの作品は成功例だと思います。 冒頭三分の一以上が主人公ラスタスと親友となるゲイリーの交流、ラスタスの成長が描かれ全くミステリを感じさせませんが舞台となるウインブルドン決勝に二人が進むことに説得力を持たせています。ラスタスみたいなプレーヤーは絶対に現実にはいないんでしょうけど青春ミステリとして主人公たちに感情移入させやすくなっている印象です。 決勝戦の短い時間の間のサスペンスは警察、犯人いずれも魅力なく物足りないです。いわゆるデッドラインサスペンスの緊迫感はあまり出ていません。 主人公たちはただテニスをしていたるだけなんですが青春ミステリとして楽しめた記憶があります。 |
No.1 | 6点 | kanamori | |
(2010/07/04 21:57登録) ウィンブルドン大会男子シングルス決勝を舞台にした変形のデッドリミット・サスペンス。 30年以上前に出版された小説で、後発の作品と比べればサスペンスの技巧に不満もありますが、青春小説、友情物語として楽しめました。 序盤、後にセンターコートでファイナルを戦うことになる二人のテニスプレーヤーの出会いから友情を育む場面、特に亡命した17歳のソ連青年プレーヤーの造形が秀逸で、クライマックスの最終セットの行動に結びつく伏線にもなっています。 一方、犯罪者グループと警察の頭脳戦はサスペンスに欠け、BBC放送の仕掛けたトリックもあまり活きていないので、コンゲーム風のスリリングな展開を期待していただけに、少々不満が残りました。 |