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ミステリの祭典

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病葉流れて

作家 白川道
出版日1998年08月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2019/05/06 22:36登録)
本作はミステリではありません。本格麻雀小説です。が、まあピカレスク・ロマンと言えなくもないので、その意味ではミステリと通じるものがあります。どなたが登録されたのか分かりませんが、そういった事を鑑みての登録だったのかもしれません。

麻雀小説はどうしても金字塔の『麻雀放浪記』と比較されると思いますが、ストーリー性などを比べると遠く及ばないものの、博打の世界にのめり込む主人公のあまりに苛烈な青春の日々や、闘牌シーンの迫力、アクの強い好敵手たちの描写は見るべきものがあります。
中でも大学の先輩である永田が博打に関する心構えを、主人公の梨田に伝授する言葉にはギャンブル全般に通じる金言が含まれており、なるほどと思わせます。それは取りも直さず作者の博打に対する考え方や発想であり、白川氏はその道でもかなりの腕を発揮したのではないかと想像します。
麻雀を打たない人にはピンと来ないでしょうから、お薦め出来ませんが、ギャンブル好きには堪らないと思いますよ。ただ、『麻雀放浪記青春編』などのように、最後の対決に臨む面子のそれぞれの境遇などにはページを割かれていませんので、その意味ではやや物足りなさを覚えるかもしれません。
麻雀を覚えて半年程度の大学一年生が、麻雀の猛者たちにどう立ち向かって行くのかが読みどころとなっています。娯楽小説としても一級品だと思います。

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