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ミステリの祭典

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逆転

作家 笹沢左保
出版日1985年02月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点
(2010/05/31 11:44登録)
「九人目」「清志を返して」「馬鹿野郎」「さよならを、夜景に」「透明の殺意」の5編が収録されている。タイトルどおり、みな「逆転」の構図だが、どんでん返しねらいがみえみえで驚けなかった。もう一ひねりほしいなと思う作品ばかりだった。それに、誤植が気になった。ミステリの場合、仕掛けだと思ってしまうからね。
しいてあげるとすれば、「さよならを、夜景に」がきれいにまとまっていて良かった。

8年前に笹沢左保が亡くなって後あっという間に、作品が新刊書店の文庫棚から消えてしまったのが残念でならなかったのですが、その後、ブックオフの100円コーナーで棚2列に並んでいるのを見つけて安心した覚えがあります。それにいまは、光文社から「コレクション」が出版されているのもうれしいですね。
文庫で名を形として残すということは大変なことなのですね。山本周五郎、司馬遼太郎、横溝正史、松本清張などが、いまも文庫棚をにぎわせていることが、どれだけすごいことなのかがわかります。笹沢左保はそこまでいかなかったのですね。残念!

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