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ミステリの祭典

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原島弁護士の愛と悲しみ

作家 小杉健治
出版日1986年01月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 yoneppi
(2011/12/09 23:25登録)
ひねりの効いた良作揃い。初めての作品だが他も読んでみたくなった。

No.1 7点 kanamori
(2010/09/07 18:01登録)
最初期のミステリ短編集。
表題作(原題「原島弁護士の処置」)は、一審で無期懲役になった母娘殺害容疑者の二審裁判に、人権派弁護士・原島が弁護に立つ。原島も同じ容疑者に妻娘を交通事故死させられた過去があるのに、何故無罪を勝ち取ろうとするのか?という内容。
真相は意外だが、改題でやや見え易くなっているかもしれません。最近でも話題になる”被害者側の人権”に踏み込んでいるところが興味深い。
「赤い記憶」は、警部補である「私」が放火殺人容疑者を取り調べているうちに、父親である元警部が扱った過去の迷宮事件の哀切な真相に辿りつく。長編で書いてもおかしくないほど中身の濃い力作で、クックの記憶シリーズを髣髴とさせます。また、ともに家族への至高の愛情が根底にある点は、作者らしさが出ていると思います。残る3編を含め逸品ぞろいの作品集でした。

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