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ミステリの祭典

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絢爛たる殺人
鮎川哲也監修・芦辺拓編

作家 アンソロジー(国内編集者)
出版日2000年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 Tetchy
(2010/04/28 21:57登録)
編者は鮎川氏が監修となっているが実質芦辺氏が95%は掲載作品を決定しているであろうアンソロジー。兎にも角にもマニア垂涎という形容がぴったりの濃厚な内容で、逆に自分が本格ミステリマニアでないのを知った次第。

収録された作品は5作。まずペダントリー趣味溢れる「ミデアンの井戸の七人の娘」、宮原龍雄氏、須田刀太郎氏、山沢晴雄氏三者による合作「むかで横丁」、「ニッポン・海鷹」、「二つの遺書」と「風魔」。
最後の2編がそれぞれベストと準ベスト。

しかし、これら昭和初期の本格推理(探偵)小説を読んで意外だったのは、真相が名探偵によって暴露されるのではなく、犯人の独白や手記によって暴かれる事。
これは欧米の名探偵ホームズ、ポアロ、ブラウン神父などがあまりに神がかり的に事件を看破することに対する彼らなりの問い掛けなのか、それともそれら有名な名探偵たちに対する遠慮なのだろうか?その辺の言及が編者から一言も無かったのが悔やまれる。

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