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ミステリの祭典

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幼き子らよ、我がもとへ
修道女フィデルマ

作家 ピーター・トレメイン
出版日2007年09月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 nukkam
(2016/05/30 21:40登録)
(ネタバレなしです) 1995年発表の修道女フィデルマシリーズ第3作の本格派推理小説ですが、過去2作はアイルランド国外でのフィデルマの活躍を描いており本書が彼女のアイルランドデビューということになります。モアン王国の修道院で隣国ラーハンの著名な神学者が殺され、その代償としてモアン王国はラーハンから領土割譲の圧力を掛けられます。単なる犯人当て謎解きだけでなく国家間の紛争という大きな課題をどう解決するのかも見所の一つで、白熱の法廷シーンまで用意されています。語り口は明快で歯切れ良く、人物もきっちり描き分けられていて創元推理文庫版で上下巻の大作ながらよどみなく読めました。問題があるとすれば第16章から第17章にかけての衝撃的な出来事で、読者によってはここまで過激にやらなくてもと感じるかもしれません。

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