過去の傷口 私立探偵タナー |
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作家 | スティーヴン・グリーンリーフ |
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出版日 | 1999年01月 |
平均点 | 8.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 8点 | 空 | |
(2013/03/23 14:07登録) ハードボイルドに対しても謎解きを期待する人は、絶対に『偽りの契り』より前に本作を読んではいけません。完全に、前々作の衝撃的な(感動的なと言った方がいいでしょうか)結末のネタばらしをしているからです。しかもそのネタばらしが、最後になって胸にしみてくる構成になっているのです。 以前に読んだジョン・タナーのシリーズ作品は非常に渋めの感じだったのですが、今回のクライマックスはかなり派手になっています。いや、ただ銃撃戦などの表面的な派手さだけでなく、タナーの感情も大きく揺れ動き、ラスト・シーンにおける選択の苦痛は相当なものです。 タナーが感情的になるのも当然。最初に起こるのは、タナーの親友であり、シリーズ常連だった刑事チャーリー・スリートが裁判所の中で被告を突然射殺したという、衝撃的な事件なのですから。Who、Howの謎は一切なく、ただひたすらにWhyを追及する作品です。 |